creator's cafe クリエイターズ・カフェ

ジュエリーのデザイン画は細かいカットのパターンも含め、原寸が基本。

ジュエリーデザインの図面は細密画

 もともと染色(友禅染)が好きで、平面に興味を持っていたのですが、金属の立体の硬質な光の反射にひかれたんですね。大学では金属工芸を専攻しました。金工と言うと、彫金のような繊細な造形を想像されるかもしれませんが、鍛金や鋳造は本当に力仕事なんです。まさに鍛冶屋の世界*1。アセチレンバーナーで熔接したり3キロハンマーをふるったり、1日4食で、慣れたころにはすっかりたくましくなりました。その後、専攻科でジュエリーメイキングを専攻して、田崎真珠*2にデザイナーとして就職しました。

 田崎真珠には当時デザイナーだけで東京と神戸に別れて40人もいて、常に社内コンペがありました。先輩デザイナーたちはもう皆デザイン画を描くのが速くて、絵もうまくて、最初は大負けの連続(笑)。新人の私はアイデアを造形としてまとめるのに時間がかかってしまい、余裕がありませんでした。

 さらにジュエリーの場合、デザイン画は絵として完成していればいいというものではなくて、そのまま職人さんに渡せる図面になっていないといけないんです。だから加工技術についての知識が不可欠です。その上で高度な細密画のテクニックが必要です。デザイン画は原寸大で描くので、1ミリの間に4〜5本の線が描き分けられなければいけないし、直径1ミリと1.3ミリ、1.5ミリといった微妙な円を描き分けるテクニックも身に付けなければなりません。扱う素材が貴金属や宝石ですから、例えば0.5ミリ大きさが違っただけでも、価格やコストに大きく響いてくるわけです。

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